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マーケティング
Update: 2023/9/2

価格競争から抜け出したい|脱出できない原因と解決策

インターネットの普及によって、簡単に比較ができる現在では、日に日にビジネスの競争が激しくなっています。その結果、価格競争に陥ってしまい、低価格で提供しなくてはならなくなることもあるのではないでしょうか。

  • どうして価格競争から抜け出せないのか知りたい人
  • 価格競争を脱出するメリットがわからない人
  • 価格競争から脱出する方法を知りたい人

そのような低価格競争から脱出したいという悩みを持つ担当者に向けて、価格競争から抜け出すための方法や事例について解説していきます。

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競合との価格競争から脱出できない原因

価格競争から脱出する方法を考えていく前に、その原因について解説します。価格競争は強豪との優位性が価格以外になく、ユーザーにとって商品を選択する理由が「安さ」以外にないために起こってしまうものと考えられます。

そのような状況になってしまうのは下記のような原因があります。

自社の強みをブランディングができていない

低価格というのも強みのひとつと考えられますが、それだけでは継続的な売上につながりません。競合の商品も売上を伸ばすために価格を下げるようであれば、すぐに強みがなくなってしまいます。それが繰り返されることで価格競争が引き起こされ、ビジネスが立ち行かなくなります。

消費者が低価格の商品を選んでしまうのは、自社の強みをブランディングできていないためと言えます。競合他社と比較して、どのような強みがあるのか明確にし、消費者に印象付けしていくようにしてください。

販売環境が整備されていない

単に商品を提供するだけであれば、それに大きな価値はありません。例えばコンビニやスーパーのような顧客が商品を選択し、レジで会計を済ませるだけであれば、アルバイトだけで事足りてしまいます。また近年では無人の店舗が展開されているように、自動で商品が売れる仕組みもできつつあります。

商品の提供にあたって販売環境が整備されていなければ、消費者はどこで購入しても同じと感じてしまうため、価格競争になってしまうわけです。

ユーザー視点で考えられていない

自社の強みが明らかであっても、それがユーザー視点で考えられていなければ、魅力に感じてもらうことはないでしょう。商品を選んでもらうためには、常に顧客の立場になってマーケティングをしなければなりません。

とにかく安い商品を求めるユーザーには低価格の商品を提供するのが良いかもしれませんが、ユーザーのニーズはそれだけではありません。より高い品質や優れた機能などがあれば、高価格でも購入につなげることができるはずです。

ユーザーのニーズをしっかりと把握し、マーケティングに活かすようにしましょう。

低価格の価値に重きを置きすぎている

確かに低価格の商品は売れやすいのは間違いありません。しかし、そこに重きを置いていては価格競争から脱出することはできません。

価格を下げることは即効性が高く、効果も表れやすいと言えます。そのため、なかなか売上が増加しない場合には価格を下げてしまいがちです。ただし競合も同じように考えるため、互いに価格を下げていってしまいます。

低価格化することなく販売していくためには、別の視点をもって販売戦略を見直していかなければなりません。どうすれば競合よりも高い価格の商品を購入してくれるのかを分析するようにしてください。

価格競争から脱出するメリット

価格競争から脱出することができれば、価格を下げる必要がなくなるため、大きなメリットがあると言えます。そのメリットについて、大きく以下の3つを挙げておりますので、順に見ていきましょう。

市場でトップを狙うこともできる

大きな市場では資本力のある大企業が有利なのは間違いありません。中小企業が同じ市場で立ち向かうのは非常に厳しいと言えます。そのため価格競争を脱出するためには、よりニッチな市場をターゲットに攻めることが有効です。

市場の規模は小さくなりますが、競合が参入していないようであれば、その業界のトップを狙うこともできます。十分な売上が見込めるのであれば、ニッチな市場に目を向けるのもポイントのひとつになるでしょう。

利益率アップにつながる

価格競争から脱出することで、価格を下げることなく、売上の増加が期待できます。その結果、利益率のアップにつながります。企業経営においては重要な指標であり、注目しなければならないポイントです。

利益が上がれば社員に還元することもできれば、設備投資や新たな事業に取り組むことができるようになります。その結果、さらなる売上・利益の創出につながります。あるいは借り入れがあれば返済することで、安定した経営ができるようになるでしょう。

企業の認知度が高まる

競合の商品と比較して高価格の自社商品を選んでもらえるということは、それだけ価格ではない点に魅力を感じてもらえているということです。つまり企業や商品のファンになってもらえていると言えます。人気の商品となっていれば注目度は高まるので、提供している企業の認知度も高まってきます。

企業の認知度が高まれば、新しい商品やサービスの展開についても注目されるようになります。新規に参入する企業よりも優位性を持って始められるのは大きなメリットと言えます。また人材の獲得にも有利に働くとされています。誰もが知っている企業であれば、就職したいと思うのは当然ですね。

価格競争から抜け出せないとどうなる?先にある未来とは

価格競争から脱出することによるメリットは理解していただけたかと思いますが、逆に脱出できなかった場合についても考えていきます。そうならないためにも価格競争から脱出する必要があるということを知っておいてください。

業績不振で最悪倒産の可能性も

価格競争により低価格化が進めば、売上の減少、利益率の低下につながります。商品を売っても売っても利益にならないため、企業は疲弊してしまいます。そのまま進めば赤字になってしまうことも考えなければなりません。

赤字が続くようであれば業績不振により倒産してしまう可能性も出てきます。中小企業庁によると倒産原因の約70%が「業績不振」によるものであるとしています(※1)。企業経営として最も避けなければならない事態と言えますが、多くの企業が抱えている問題と言えるでしょう。

※1:「倒産の状況」(中小企業省)

そうならないためにも価格競争からの脱出は早急に取り組むべき施策ということになります。

流動性の高い顧客ばかり集まる

消費者は低価格の商品を求めるものではありますが、もちろんニーズはそれだけではありません。安さだけを求めるユーザーは最低限の品質や機能があれば良いので、流動性が高く、企業や商品のファンになりにくい特性があります。

企業や商品のファンはリピーターになってくれますので、宣伝費などのコストを下げていくことができます。こうしたファンが増えていかなければ、販売コストは大きくなっていきますので、ますます利益率は落ち込んでいくことになるでしょう。

価格ではない品質や機能において、消費者に魅力を感じてもらい、ファンを作り上げていくことが大事だと言えます。

価格競争脱出に成功した商品・サービス事例

価格競争からの脱出は多くの企業が課題としているところであり、成功している事例も見られます。そのいくつかを紹介しますので、自社のマーケティング戦略の参考にしてみてください。

スターバックス

知らない方は少ないかと思いますが、スターバックスはアメリカ発祥の世界最大のコーヒーチェーン店です。日本でも1,700店舗以上を展開していて(2022年12月現在)、多くのファンを獲得しています。

ただコーヒーを飲むだけであれば他にも喫茶店は多数ありますし、安く済ませたいのであれば自宅でも飲むことができます。コーヒー業界では、すでに供給過多の状態であり、来店してもらうためには価格を下げるしかないように思われます。

しかしスターバックスでは価格よりも「美味しさ」を追及することで、ファンを獲得し売上を伸ばしてきました。また「お店の雰囲気」や「接客」についても特徴的であり、勉強している学生や仕事をしているビジネスパーソンにも好んで利用されているのが分かります。

価格以外の価値を提供することで消費者のニーズを満たしたことがスターバックスの成功の要因と言えるでしょう。コーヒー業界だけではなく、飲食業界・食品業界すべてで参考にすべき事例となっています。

マクドナルド

続いて紹介する事例は、こちらも日本では知らない人がいないハンバーガーチェーン店「マクドナルド」についてです。安く早く美味しくが売りとなっているファストフード業界ですが、やはり価格競争が進んでいた時代があり、ハンバーガー単品で100円未満だったこともあります。

そんな中で2014年にマクドナルドでは仕入れ先の中国工場で期限切れの鶏肉が使用されていたことが明らかになりました。「安さ」を求めた結果、最も重要な食の安全が損なわれ、企業としての信用も失ってしまいます。

この事件以降、マクドナルドは赤字が続くことになりますが、2020年には過去最高益を達成することになります。失われた信用を取り戻すのは並大抵のことではありませんが、マクドナルドは見事にやり遂げたということでしょう。

現在のマクドナルドは以前と比較すると、とても安いとは言えませんが、多くのファンを獲得しており、休日のランチには多くの顧客が長蛇の列を作っているのが当たり前の光景となっています。

さまざまなキャンペーンや新商品を打ち出した結果、価格競争を脱出した良い事例となっています。

株式会社ヨネキチ

健康食品業界も競争は激しく、類似の商品が数多く出回っています。そのような業界ではどうしても価格競争に陥ってしまいやすく、企業の体力を削っていってしまいます。

株式会社ヨネキチではOEMによるオリジナルの商品を展開することで、競争力を高めることを勧めています。同社は北海道を拠点にして健康食品の企画・製造・販売を手がける企業で、差別化できる商品開発を提案してくれます。

OEMとはOriginal Equipment Manufacturingの頭文字を取ったもので、自社でないブランドの製品を製造することを意味しています。つまり株式会社ヨネキチが商品の製造をしてくれて、別のブランドとして販売することができるということです。

株式会社ヨネキチにOEM生産された商品はオリジナルのものとして販売することができるため、価格以外のポイントをしっかりと消費者に訴求することができれば、競合の店舗と差別化することができます。類似の商品ではなく、ユーザーのニーズを捉えた商品設計がポイントになるので、そうしたマーケティング戦略も参考にしてみてください。

ネスレ

最後にネスレの「キットカット」についての事例を紹介します。「キットカット」といえばウエハースとチョコレートを合わせたネスレの代表的な商品ですが、一見すると他にも類似の商品はコンビニやスーパーで多数見つかります。価格競争に陥ってしまう業界の典型的な商品と言えるかもしれません。

しかし「キットカット」では「きっと勝とう」の語呂合わせから縁起の良いお菓子として大ヒットしました。特に受験生においては合格祈願として広がりを見せており、受験シーズンには売上が伸びます。

現在でも人気商品として販売が続いており、日本のお菓子ランキングの上位に常に名前が上がるものとなっています。価格を下げるわけでもなく、多くのファンを獲得し続けている販売戦略については注目できます。

「キットカット」については商品そのものに違いはなくても、ブランディングに成功した事例と言え流でしょう。ターゲットを絞り込んだことで、ファンを獲得できたことについては、参考にしたいところです。

価格競争を抜け出すためのブランディング方法

価格競争を抜け出すためにはブランディングが必要になります。ブランディングとは顧客のロイヤリティを高め、他社との差別化を図る施策を指します。具体的にどのようなものがあるか、以下に解説していきます。

どんな価値提供をできるか明確化

まずは競合と比較して、どのような価値が提供できるのかを明確にしておきましょう。それは自社の強みであり、顧客に対してアピールするポイントになります。また社内での意思を統一しておくことで、モチベーションを高め、スムーズなコミュニケーションができるようになります。

注意しなければならないのは、「自社の商品なので社内の人間が最も詳しく知っている」というわけではないことです。実際に商品を使っている顧客にアンケートを取ってみたり、市場調査をしてみたりすると新しい気付きも得られることがあります。どのようなポイントがターゲットに刺さるものか調べてみると良いでしょう。

ターゲットを絞る

自社の強みが明らかになったら、ターゲットを絞り込みましょう。「キットカット」の事例では受験生にターゲットを絞り込み成功を収めました。競争の激しい業界では、多くの人に気に入られる商品作りは非常に難易度が高いため、まずは市場規模の狭い業界・業種から攻めていくと良いでしょう。

ターゲットを絞り込むと広告のメッセージも統一されていきます。その結果、対象となる顧客も自分事として受け取ることができ、効率よくファン化されることになります。広告の効果が最大限に発揮されるのも大きなメリットのひとつと言えます。

狭いターゲットの市場でシェアが獲得できると、口コミで広がり、ターゲット以外からの支持も得られるようになってきます。その後の商品戦略によって更なる売上の拡大が見込めます。

商品に独自性を持たせる

ターゲットを絞り込んでも上手くいかないようであれば、自社の強みを再度見直すようにしましょう。競合との差別化のためには商品に独自性が必要になるので、場合によっては商品の改良もしなくてはならないかもしれません。

そのためには競合他社の商品を研究するようにしてください。類似の商品を展開しているだけでは、どうしても価格競争から脱出することはできません。競合の商品に足りないものは何か、それを補うような商品企画はできないかという観点から考えるようにしましょう。

具体的な改良のポイントとしては商品の品質や機能ももちろんありますが、パッケージのデザインなども考えられます。ファッションでなくても、「おしゃれ」が付加価値として認められます。

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まとめ

価格競争から脱出することは、企業経営において優先するべきことであり、放置していては売上・利益は減少していくばかりです。できるだけ早期に取り組みようにしてください。

この記事のまとめ
  • 価格競争から脱出することで売上・利益の向上が期待できる
  • 価格競争を脱出するためにはブランディングが必要
  • ブランディングのためには自社の強みを明確にすること

また価格競争から脱出するためには競合との差別化やブランディングが必要になります。そのためには自社の強みを把握し、ターゲットとなる顧客・ユーザーを見極めなければなりません。事例として紹介した企業を参考にしながら、今一度ブランド戦略を見直してみてはいかがでしょうか?

著者
Digital Magazine editorial departmentDigital Magazine 編集部
Digital Magazineの企画・執筆・編集をしています。Webサイト制作、UX/UIデザイン、コンテンツマーケティング、SEO対策、SNS運用、広告運用に強みを持ったメンバーが、デジタルマーケティング全般の最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。
監修者
Miyazaki Norifumi宮崎 典史
THINkBAL代表。Web制作会社でWebサイト構築を学び、株式会社電通に出向。ナショナルブランドのWebサイトを数多くプロデュース。担当領域は、Webコンサルティング・戦略立案・プロジェクトマネジメント・UXリサーチ・情報設計・制作ディレクション。