【メリット絶大！】Web広告を地域限定にする理由と設定方法

Web広告ではさまざまなターゲティングができますが、そのなかには地域を限定して広告配信ができるエリアセグメントもあります。多くのビジネスでは商圏が限られているため、Web広告によって広範囲に広告配信をしても無駄の多い広告となってしまいます。効果的な広告配信をするためには地域を限定することが必要不可欠な要素と言えるでしょう。

そこで今回の記事ではWeb広告で重要な地域限定配信に関する内容としています。ご自身のビジネスと関連付けながら考えてみてください。

繰り返しになりますが、Web広告では地域を限定して配信することができます。これにより商圏の範囲にいるユーザーに対してターゲットを絞り込むことができ、しっかりと認知させることが可能になります。

ここでは具体的なメリットについて解説していきます。

まずWeb広告を地域限定にするメリットの一つとして、広告費を抑えられるということが挙げられます。Web広告はインターネット全体に広く効率的に広告配信できることが大きな特徴ではありますが、際限なく広範囲に配信してしまってはターゲット以外にも広告が配信され、効果は下がってしまいます。

たとえば東京の賃貸物件を扱っている不動産会社がWeb広告を配信する場合、北海道のユーザーに配信しても意味がありません。その場合は東京に地域を限定し、無駄な配信を減らし、広告の効果を高め、広告費を抑えられます。

Web広告では広告の表示回数やクリック数、クリック率、コンバージョン数といったさまざまなデータを取得することができ、マーケティングに活用することが可能です。地域ごとに差が見られるような場合には、特にこうしたデータを活用することで、広告効果の改善につなげることができます。

人口の多い東京では表示回数やクリック数が多いのは当然のことですが、競合が多い業界ではクリック単価が高騰する傾向にあります。こうした状況を踏まえて予算配分などを検討する必要があります。

商圏におけるマーケットサイズを把握しておくことは、営業戦略や事業計画を決めるうえで非常に役に立ちます。たとえばターゲットユーザー数が1万人とした場合、クリック単価50円の広告では全員に1回クリックしてもらうと50万円が必要です。広告の表示回数や動画の視聴回数などでも同じような考え方ができるでしょう。

もちろんクリックされるだけで顧客化するわけではありませんので、継続的なアプローチが必要ですが、Web広告で地域を限定することで具体的な数値まで落とし込んで考えることが可能です。

Web広告では地域を限定することで、クリエイティブもそれに合った形で広告を配信することが可能です。

たとえば東京のユーザーには「東京にお住まいの方へ」、北海道のユーザーには「北海道にお住まいの方へ」といったバナーやテキストを含めることで注目を集めることができ、広告の効果が高まる可能性があります。

あるいはリンク先もそれぞれの地域の特徴に合った内容にすることで、ユーザーは自分事化しやすく成約率のアップにつながると考えられます。

広告を配信した結果はデータで確認することができるので、クリエイティブ毎に比較しながら、より良い数値になるように改善できるのもメリットと言えます。

Web広告の地域限定配信は非常に簡単です。ただし媒体ごとにすこしずつ仕様が異なるため、今回はGoogle広告とYahoo!広告それぞれで解説していきます。

Google広告では検索広告、ディスプレイ広告、そのほかにショッピング広告や動画広告などがあります。すべて同じような仕様になっているため、地域限定の広告配信の設定方法も同じです。

Google広告を地域限定にする設定はキャンペーン単位で行います。キャンペーンの設定から「対象の地域を選択してください」という表示があるため、そちらから設定します。日本でのデフォルトでは「日本」が設定されていますが、さらに絞り込みたい場合には「別の地域を入力する」から選択をします。

地域限定の設定には二つのパターンがあります。

一つは自治体ごとに設定するものです。都道府県単位で設定できるほか、市区町村単位でも可能です。ただし一部の市区町村は設定ができないため、管理画面で検索して可否の確認をする必要があります。

もう一つは半径で指定するものです。特定のポイントから半径〇kmといった形で設定することができますので、市区町村単位で指定するよりも細かい設定が可能といえます。

あまりに地域が限定されていると配信ボリュームが少なくなり、広告配信がされない場合もありますので、広めに設定するとよいでしょう。

Yahoo!広告では主に検索広告とディスプレイ広告があります。広告アカウントが検索とディスプレイで異なっているため、すこし仕様が変わってくるので注意が必要です。

検索広告ではGoogleと同様にキャンペーン単位で地域を限定します。ただしYahoo!検索広告では半径指定ができないので注意が必要です。（2022年10月現在）都道府県および一部の市区町村のみ指定が可能となっています。今後は、半径指定の設定も対応されるかもしれないのでチェックしておきましょう。

ディスプレイ広告では広告グループ単位で地域の設定をします。検索広告とはグルーピングが変わってきますので、アカウント構成など適切な形で設定するようにしてください。設定できる市区町村も検索広告より多いため、事前に設定ができるかどうか確認をするようにしてください。また2022年4月よりディスプレイ広告では半径指定も可能になりました。これにより細かい地域設定が可能になっています。

それぞれの違いを把握して、できることできないことを明確にするようにしてください。

Web広告の地域指定をすることで大きなメリットがあるのは確かですが、注意しなければならない点もいくつかありますので紹介します。事前に注意点を確認しておくことで、効率的な配信ができますので、是非チェックしてください。

あまりに狭く地域を限定してしまうと、広告の配信量が少なくなってしまい、予算を消化できなくなってしまいます。予算を消化することが目的ではありませんが、広告配信がされなければ設定している意味はありませんので、しっかり配信ができているかどうかは重要なポイントです。初めのうちはすこし広めに地域を指定してみるとよいでしょう。

Web広告で地域指定ができるといっても、100%の精度でターゲティングできているわけではありません。あくまで媒体側で推測する範囲でのターゲティングになりますので、実際のところ別のエリアのユーザーに広告が配信されてしまうこともあります。ただし高い精度で地域指定ができているということは確かですので、あまり神経質にならないほうがよいでしょう。

検索広告においては除外キーワードを設定することで、無駄な広告費を削減することが可能です。たとえば東京のユーザーでも「北海道 グルメ」や「北海道 出張」といったキーワードで検索するケースも考えられます。あらかじめ他エリアのキーワードを除外キーワード設定することで、無駄な配信を抑えることができるでしょう。

一方で商圏でない地域であっても、顧客になるかどうか分からなければ、まずは配信をしてみて反応をみてみるのもよいでしょう。除外キーワードを設定することで、ターゲットとなるユーザー数は減少してしまい、十分な配信ができないということを避けるためにも、すこし広めに配信するというのも重要なポイントということを忘れないでください。

Google広告のデフォルトの地域設定では、指定した地域にいるユーザーと指定した地域に関心を持っているユーザーなどに配信がされます。つまり地域指定というのはユーザーがいる地域のみをターゲットにするわけではありません。対象外のエリアにいるユーザーにも広告配信され、Webサイトへアクセスされる可能性もあります。

すこしややこしいのですが、こうした細かい仕様が理解できていないと精度の高い広告が配信できないため、広告運用者は十分に把握しておく必要があります。

指定した地域にいるユーザーのみにターゲットを絞り込みたい場合には、キャンペーンの設定で絞り込むことができます。その場合、検索キーワードやユーザーの興味には左右されないので、狙ったユーザーにのみ配信することができるでしょう。

どのような設定が最適なのかを考えて、適切な設定ができるように心がけてください。

Web広告で地域を限定することで効果が出ている三つの事例を紹介します。いずれも商圏が限られているので地域を設定することで、無駄な広告を削減できています。同じようなビジネスを展開されている企業様は参考にしてみてください。

学童保育の運営会社がWeb広告で集客する場合には地域限定は必須の機能と言えます。施設から遠い地域から子どもを預けようとする家庭はほとんどないでしょう。

キーワードに地域名を入れるのはもちろんですが、駅名なども含め、なるべく小さい単位で設定するようにしてください。ただし全国には同じ地名がいくつもありますので注意が必要です。その場合はキャンペーン単位で地域を限定して、対象外の地域からのクリックを抑えるような運用が大事になります。

フィットネスジムのWeb広告では、自宅近くのジムに通う人、あるいはオフィス近くのジムに通う人などターゲットはさまざまです。店舗周辺のユーザーにリーチするのはもちろんですが、すこし広めに設定して認知拡大させるほうがよいと言えます。特に近年では健康志向の人が増加傾向であるため、顧客獲得の競争が激しくなってきています。効率的な獲得を目指していくようにしてください。

商業施設や百貨店においては、Web上で購入や申し込みをするのではなく、来店が目的になります。管理画面上から発行されるタグでは計測が難しいため、来店を計測できる仕組みを整えることから始めるようにしましょう。

来店数を把握できるようになれば、どの地域からユーザーが来店しているのかを分析し、効果の良い地域には積極的にWeb広告を配信するなどの調整を行います。

地域指定は基本的なWeb広告の機能ですので、しっかりと使いこなすようにしましょう。もちろん地域だけにとらわれずにさまざまな観点から分析を進めて、運用の効率化を進めていく必要があります。どのような機能があるのか、広告運用に活かせることがないか、改めて確認してみてはいかがでしょうか。